こんにちは、六連(むつら)です。
夜空を見上げると輝く、太陽系の惑星たち。 私たちにとって身近なこれらの天体は、これまで数多くのSF映画やアニメの舞台として描かれてきました。
テラフォーミング(地球化)された緑豊かな火星や、巨大な木星を飛び交う宇宙船……。映像作品の中では当たり前のように描かれている風景ですが、「現実の科学」に照らし合わせると、そこには意外なギャップが隠されています。
今回は、大人気SF作品の舞台となった天体たちを巡りながら、フィクションと現実の違いをエンタメチックに解説します!
火星(Mars):人類移住の夢と「砂嵐」の真実
SF作品で最もおなじみの天体といえば、お隣の赤い惑星「火星」ですよね。
- フィクションでの描かれ方: 映画『オデッセイ(原題:The Martian)』では、主人公が火星に一人取り残され、科学の力でサバイバルを繰り広げます。また、アニメ『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』や『カウボーイビバップ』などでは、人類が移住し、街が形成されている姿が描かれています。
- 現実の科学では?: 火星の環境は過酷です。大気の主成分は二酸化炭素で、気圧は地球の約1%以下しかありません。 実は『オデッセイ』の冒頭で主人公が吹き飛ばされる原因となった「猛烈な砂嵐」は、現実の火星では起こり得ない現象なのです。風速自体は速くても、大気が薄すぎるため、ロケットを倒したり人を吹き飛ばすほどの物理的なパワーはありません。(原作者のアンディ・ウィアーも、物語の都合上あえてウソをついたと語っています)
- テラフォーミングは可能?: アニメのように地球環境に近づける「テラフォーミング」は、理論上は議論されていますが、火星には地球のような強力な「磁場」がないため、せっかく作った大気も太陽風に吹き飛ばされてしまうという大きな壁があります。
木星(Jupiter):絶対に降り立てないガスジャイアント
太陽系最大の惑星である木星は、その巨大さと不気味な縞模様から、畏怖の対象として描かれることが多い天体です。
- フィクションでの描かれ方: 『機動戦士ガンダム』シリーズでは、核融合エンジンの燃料となる「ヘリウム3」を採取するための「木星船団」が登場します。また、映画『ジュピター』などのスペースオペラでも、広大な舞台として描かれます。
- 現実の科学では?: 木星は「ガス惑星」であり、私たちが立つことができる「地面(固体表面)」が存在しません。 もし木星に降りようとすれば、果てしなく濃いガスの層を落ちていき、最終的にはとてつもない高温と高圧によって宇宙船ごと押し潰されてしまいます。さらに、木星の周囲には地球の数万倍とも言われる強烈な「放射線帯」があり、近づくだけでも電子機器がショートし、人間はひとたまりもありません。アニメの「木星帰り」のキャラクターたちは、想像を絶する過酷な環境を生き抜いた超人だと言えますね。
エウロパ&ガニメデ(Jupiter’s Moons):生命のロマンと宇宙港
木星本体が過酷すぎるため、SF作家たちが目をつけたのが木星の「衛星」たちです。
- フィクションでの描かれ方: アニメ『カウボーイビバップ』では、衛星ガニメデが海と漁業の星として描かれています。また、映画『2010年(2001年宇宙の旅の続編)』では、衛星エウロパに未知の生命体が存在することが示唆されました。
- 現実の科学では?: 実はここ、現実の科学がフィクションに最も追いついている激アツなポイントです! 現実の「エウロパ」は分厚い氷に覆われていますが、その下には地球の海をすべて合わせたよりも多くの水が存在する「内部海」があることがほぼ確実視されています。現在、太陽系内で地球外生命体が存在する可能性が最も高い場所の一つとして、NASAなどが探査計画(エウロパ・クリッパーなど)を進めています。映画のような未知の生命体との遭遇は、意外と遠い未来の話ではないかもしれません。
まとめ:フィクションの想像力が、現実の科学を引っ張る
いかがでしたか? 「あの映画の描写、実は科学的にはあり得ないんだよ」とツッコミを入れるのも楽しいですが、SF作品の素晴らしいところは「不可能に見える宇宙へのロマンを視覚化し、科学者たちにインスピレーションを与えてくれる」ことです。
現実の宇宙開発は、かつてのSF映画が描いた未来に少しずつ、確実に近づいています。今夜はぜひ、夜空の星を眺めながらお気に入りのSF映画を見返してみてはいかがでしょうか?

