冥王星の降格劇:「惑星」の定義って誰がどう決めた?

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こんにちは、六連(むつら)です。

「水・金・地・火・木・土・天・海・」——。 子どもの頃、太陽系の惑星をこうやって暗記した記憶がある方は多いのではないでしょうか。しかし、2006年を境に、このお馴染みのフレーズから「冥(冥王星)」が外れてしまいました。

かつて第9惑星として親しまれていた冥王星は、なぜ突然「準惑星」へと降格してしまったのでしょうか? 今回は、この「冥王星の降格劇」の裏側にあった、天文学のルール作りのドラマを分かりやすく解説します!

誰が「惑星」を決めているの?

そもそも、「これは惑星」「これは違う」というルールは誰が決めているのでしょうか?

その決定権を持っているのは、世界中の天文学者が集まる「国際天文学連合(IAU)」という組織です。2006年8月、チェコのプラハで開催されたIAUの総会で、天文学の歴史を変える大激論が交わされました。そこで初めて、明確な「惑星の定義」が決められたのです。

実はそれまで、「惑星とは何か」という厳密なルールは存在していませんでした。「昔から見つかっていて、そこそこ大きいから」という、少しフワッとした理由で惑星と呼ばれていたのです。

なぜルールを作らなければならなかったのか?

では、なぜ2006年になって急にルールを作る必要があったのでしょうか? それは、望遠鏡の技術が劇的に進歩したからです。

2000年代に入ると、冥王星がいる太陽系の外側(エッジワース・カイパーベルトと呼ばれる領域)で、冥王星と似たような氷の天体が次々と見つかり始めました。極めつけは、2005年に発見された「エリス」という天体です。なんと、このエリスは冥王星とほぼ同じ大きさ(当時は冥王星より大きいと思われていました)だったのです。

ここで天文学者たちは頭を抱えました。 「もし冥王星を惑星のままにしておくと、エリスも惑星にしなければならない。今後も同じような天体が見つかるたびに惑星を増やしていったら、太陽系の惑星が数十個、数百個になってしまう!」

これを解決するためには、誰もが納得する「新しいルール」を作る必要があったのです。

決定!「惑星」の3つの条件

激しい議論の末、IAUは「太陽系の惑星」であるための3つの条件を定めました。

  1. 太陽の周りを回っていること。
  2. 十分な重力があり、丸い形(球状)をしていること。
  3. 自分の軌道の近くにある他の天体を「掃き散らして」いること(=その軌道上で圧倒的にメインの存在であること)。

冥王星は、1と2の条件はクリアしていました。しかし、問題は「3」です。 冥王星の周りには、似たような氷の小天体がたくさん群れています。つまり、自分の軌道周辺を「掃き散らして」おらず、圧倒的なボスになりきれていなかったのです。

こうして、冥王星は新しいルールによって「惑星」の枠から外れることになりました。

「降格」ではなく「名誉ある殿堂入り」?

惑星から外れた冥王星は、新しく作られた「準惑星(Dwarf Planet)」というグループに分類されることになりました。

「降格させられて可哀想…」と思うかもしれません。しかし、見方を変えれば少し違ってきます。 冥王星は、太陽系の外側にある未知の世界(カイパーベルト)を代表する、最初の天体としての地位を確立したのです。言ってみれば、新しいカテゴリーの「基準」であり、名誉ある殿堂入りを果たしたとも言えます。

まとめ:科学は「アップデート」していくもの

冥王星が惑星ではなくなったニュースは、当時世界中で驚きをもって受け止められました。

しかし、これは「昔の学者が間違っていた」という話ではありません。観測技術が進歩し、人類が宇宙の本当の姿をより深く知ることができるようになった証拠なのです。

私たちが「絶対」だと思っている理科の教科書の内容も、新しい発見によって明日には書き換わるかもしれません。冥王星のストーリーは、科学が常にアップデートされ続ける、とてもエキサイティングな学問であることを私たちに教えてくれています。