こんにちは、六連(むつら)です。
夜空を見上げて、「オリオン座」や「カシオペヤ座」を探したことはありませんか?
星と星を結んで描かれる星座は、ギリシャ神話などの物語とともに、私たちをワクワクさせてくれますよね。
でも、ここでちょっと不思議に思いませんか? 「隣の星座との境界線って、一体どこにあるんだろう?」 日本とアメリカに国境があるように、星座と星座の間にも「ここからがオリオン座の領土!」という線があるのでしょうか。
実は、現在私たちが使っている星座の境界線は、大昔の神話の時代から決まっていたわけではありません。今回は、天文学者たちによって繰り広げられた「夜空の陣取り合戦」と、星座の境界線がキッチリと引かれるまでの驚きの歴史をご紹介します!
昔の星座は「ふんわり」していた!?
大昔、古代ギリシャの時代などには、明確な「境界線」というものがありませんでした。
「この星とあの星を結ぶと、クマの形に見えるから『おおぐま座』!」といった具合に、絵柄のイメージが中心だったのです。そのため、こんな問題が起きていました。
- あまった星がある: どの星座の絵柄にも入っていない、ポツンと余った星(余白)がたくさんあった。
- 星の取り合い: 「この星はうちの星座の足だけど、隣の星座の頭でもある」というように、ひとつの星を複数の星座で共有していることがあった。
昔はこれでも良かったのですが、時代が進むにつれて少しずつ困ったことが起こり始めます。
星空は大混乱!夜空の陣取り合戦へ
大航海時代になると、船乗りたちは南半球の新しい星空を見るようになりました。また、望遠鏡が発明され、今まで見えなかった暗い星も見えるようになります。
すると、世界中の天文学者たちが「私が新しい星座を作ろう!」と、こぞって自分のお気に入りの星座を発表し始めました。 「望遠鏡座」や「顕微鏡座」、さらには当時の自分の国の王様を讃えるための星座など、自由に作って星図(星の地図)に描き込んでいったのです。
結果として、「ここは〇〇座だ!」「いや、私の作った△△座だ!」と意見が分かれ、星空は誰がどの星の持ち主かで大混乱の「陣取り合戦」状態になってしまいました。 これでは、新しい星を見つけても、世界の天文学者同士で情報交換ができず、研究に大きな支障が出てしまいます。
世界の天文学者が大集合!星座のルール会議
「このままではマズイ!」
危機感を抱いた世界の天文学者たちは、1922年にローマに集まり、会議(国際天文学連合=IAU)を開きました。そこで、乱立していた星座をすっきり整理し、現在も使われている「全天88個の星座」に絞り込んだのです。
しかし、88個のリストが決まっても、まだ「境界線」をどこに引くかという大仕事が残っていました。
星空に「カクカクの国境線」を引いた男
1928年、この「星座の境界線をキッチリと引く」という重要なミッションを任されたのが、ベルギーの天文学者ウジェーヌ・デルポルトでした。
彼は、過去の歴史的な星の地図を大切にしながら、宇宙の地図を分割していきました。その際、彼はとても分かりやすいルールを使いました。
それは、地球の地図にある「経度・緯度」のような、宇宙の縦横のマス目に沿って直線を引くことでした。 昔からその星座のものだと決まっていた星が、うっかり別の星座に入ってしまわないように、マス目に沿ってジグザグと線を引いたのです。
こうして1930年、デルポルトの作業が終わり、全天は88のピースからなるジグソーパズルのように、1ミリの隙間もなく完璧に分けられました!
まとめ
現在、私たちがプラネタリウムやスマホの星空アプリで見る星座の境界線は、どれもカクカクとした直線で描かれています。それは、デルポルトが宇宙の縦横のマス目に沿ってキッチリと線を引いた名残なのです。
私たちが何気なく見上げている星座には、神話のロマンだけでなく、「宇宙の地図を正確に作りたい!」という天文学者たちの情熱と、ちょっとした陣取り合戦の歴史が隠されていました。
今夜、もし星空が見えたら、「あの星とあの星の間には、見えないカクカクの国境線が引かれているんだな」と想像してみてください。いつもの夜空が、また少し違って見えてくるかもしれませんよ!

